煙が目にしみる91

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「わざわざ、コーヒーを飲みに、一平が?」
 またぞろ剣呑な雰囲気になってきた。
「ああ、そうだよ、コーヒー飲みに! ほかに何だって言うんだ」
 イライラしながらグラスのシャンパンを飲み干すと、元気はまたボトルを傾ける。
「さっきの新曲、すっげえよかったけど、やっぱ元気、『GENKI』に戻るつもりなのか?」
「だから、言っただろ? あれはここでたまにライブやる時に………」
「みっちゃんとかも来てるよな? みっちゃんに曲くれとか言われたら?」
「みっちゃんが何を言ったって……」
 確かにみっちゃんの巧みな強引さには負けるかも。
 現に、参加はまだ無理としても曲の提供をしてくれと、みっちゃんには再三言われている。
「元気って、時々、流されるよな……」
「お前、いつ、俺が……」
 いや、まあ、たまに、流されることもあるかも。
「言っとくけど一平とはもう何でもないし、曲くらいは作っても罰は当たらないだろうが!」
 自棄気味に元気は主張する。
 豪は隣で、はあ、と思い切り大きくため息をついた。

 
 巷ではもうイブが恋人たちのものだとか、今は昔の話のようだが、やはりそんなイブもあっていい。
 雪はしんしんとイブの夜に降り注ぐ。

           -おわり-


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