雪の街20

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 外はまだ雪が降り続いているというのに、若者たちがあとからあとから店にやってきた。
 中にはどう見てもオヤジも色々混じっているが。
 ひとしきり飲んだり食べたりが終わると、やがて元気の「Merry Christmas!」の声と、ギターの合図でライブが始まり、店内は一気に盛り上がりを見せる。
 店に入ってくる客からドアの傍に陣取った紀子が会費を受け取り、朔也、豪と正人は彼らに飲み物を渡す。
「へえ、いい音出してるじゃん」
 ツリーの隅で、元気のギターに耳を傾けている朔也はボソリと口にする。
「あたりまえですよ。元気の音、健在!」
 隣でそう断言する豪はいかにも自慢げだ。
「しいて言えば、ボーカルか」
「それもご愛嬌ってことで」
 豪が笑う。
「まあ、朝倉じゃあなー」
「朝倉さんと同級生なんっすか?」
「ああ。会ったのは卒業以来」
「へ、朝倉の若旦那と同級生? ってことは俺らより二つ上? とても見えないっすね。こちらには休みで帰省したんですか?」
 遅れてやってきた着膨れした男は東と名乗り、朔也の隣にやってきて汗をふいている。
「いや、じいさんがくたばっちまったから、こっちにはもううちはない。けど、まあ、たまに、元気の顔を見に?」
 朔也は答えた。
 だが、懐かしい顔に会えたのは嬉しい。
 朔也はそれこそ卒業して以来そんな風に思ったのは初めてだ。
 これも清隆にあったせいだろうか。
 にしても、清隆のやつ、おっせーなー。
 電話があってから、店の柱時計を睨みつけること数回。
 事故でも起こさなければいいが、とそれだけが心配なのだ。
「そういえば、どっかでお会いしましたっけ?」
「いや」


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