雪の街23

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「おい、朔也、何、やってんだ? お前、エプロンなんかして」
 清隆は豪や正人らと片付けを手伝っている朔也に気づいて声をかけた。
「るせーな、俺は今日はここのバイトなんだよ。たむろしてねーで、手伝え!」
「バイトだぁ?」
「だから、明日、元気とスキーつき合ってもらうって言っただろーが」
「おい、お前、また、元気、朔也にちょっかいかけてんじゃねーだろな」
 朔也の出現だけならまだしも、『GENKI』の乱入の上に、清隆の呆れた発言とくれば、元気が大きくため息をつくのも無理はない。
「ったく!」
 ギターを片付けていた元気はすくっと立ち上がると、バン!! とカウンターを叩く。
「どいつもこいつも、勝手なことばっか! 邪魔するつもりなら、とっとと出て行く! わかったか?!」休火山の爆発ほど怖いものはない。
 一瞬、シーンと静まり返る。
 が、次にはみんな、ごそごそとテーブルや椅子をもとにもどしたりと、動き出した。
 『GENKI』の面々も例に漏れない。
「ちょっとぉ、やっぱ、あんたって、川口朔也じゃないの!」
 その中でやはり強かったのは紀子だった。
「それがどうしたよ」
「遠藤とか言っちゃって」
「母親が結婚するまでは、遠藤だったんだよ」
「そうなんだ?」
 それにしても、元気はやっぱタダモノじゃない。
 心の中で感心してしまう朔也だった。
 
 
「川口朔也だぁ? どうなってんだ? 何でこんなかた田舎の茶店に、業界人間の人口密度がこんなに高いんだ~」
 ぶつぶつと東が呟いていたのは言うまでもない。

おわり


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