花のふる日は 3

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 京助の作る料理に慣れているから、コンビニの自己主張が強いばかりの弁当は味気なく思われたが、千雪は腹が空いていたせいで全部平らげ、ちょうど湯が沸いたので急須にお茶をいれてマグカップに注ぐ。
 椅子に座りなおしてお茶を飲みながら、千雪は弁当と一緒に買ってきた雑誌を開いた。
 仕事の資料意外、雑誌など特に写真週刊誌などは滅多に買うことはないのだが、つい一緒に買ってしまったその表紙には、『超セレブなプレイボーイ、綾小路京助氏、華道家元令嬢の次はスーパーモデルとお泊り愛』などというキャッチコピーが踊っている。
 今朝方、たまたま研究室にいた千雪を見つけて、わざわざ佐久間が持ってきたりしなければ知らなかったのだが。
「全く、やってくれはるわ、京助先輩。今、何とかコレクションで、日本に来日しているカレン・ロイド、ほら、この超美女。何でも京助先輩、アメリカ留学時代に知り合ったみたいでっせ。あ、これ、出版社の彼女から聞いたから、信憑性高いですわ」
 夜、カレンが滞在しているホテルに彼女をエスコートして入っていく二人と朝、ホテルを出る京助の写真が載っている。
 おそらく先週末のことだろう。
 京助も千雪と一緒に警視庁への事件協力とかで話題に上らなければ、ここまで派手に取り沙汰されることもなかったかもしれない。
 なまじっか、見てくれの優劣が激しいコンビだとういうので、余計に京助の『イケメン』ぶりが強調され、果てはその出自が財界のトップクラス東洋グループ総帥の息子で、由緒ある家柄等々まであからさまに取り上げられ、タレントも顔負けな扱いだ。
 その京助は昨日から教授のお供で学会に出席するため、大阪にいる。
 部屋に戻ってすぐ電話の留守電ボタンがチカチカしているのに気づいたが、千雪は用件を聞くこともなく消去し、電話のケーブルを外した。
 誰からかはわかっている。


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