花のふる日は 109

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 そもそもが昨日二日酔いで、起きだしたのが昼過ぎ。
 桐島さんも菊ちゃんも、酒、強いんやからな……
 途中で寝てしまったから、みんなが帰っていったのも知らなかった。
 なかなか頭痛が治らず、後片付けから何から、全部京助がやってくれたのだ。
 ようやく京助に伴われてあたふたと両親の墓参りを済ませ、河原町に出て食事をして新幹線に乗った。
 だが、乗っている間の記憶もない。
 京助に起こされるまでぐっすり寝ていたのだ。
 タクシーでアパートに戻り、まだぐたぐたしている千雪を放って、京助が買出しをしてきてくれて、リゾットを作ってもらい、食べ終わった頃、段々頭が正常に戻ってきた。
 コーヒーを入れてもらい、ほっと一息ついた千雪は、小さなキッチンに置いたテーブルの向かいで、難しい顔をして新聞に眼を通す京助を見た。
 帰ってきてもほとんど会話もない。
 だが、そんな状況に何やら安堵する。
 って、まるで長年連れ添った夫婦やんか。
 しかも何もかもやってもらっているのは千雪の方。
 マメなのだ。
 京都でもあの大人数の飲み会を、井原と二人で取り仕切り、というよりもまず、寿司やピザの類を覗いて、料理は二人で作ったのだ。
 御曹司とかイケメンセレブとか言われているが、いや実際そうなのだが、中学の頃から部活では部員の面倒見がよく、合宿のまかないは一手に引き受けていたという。
 ああ見えて、スーパーでいいものを安く買うのが得意なのは、部費をうまく使おうとして、気づいたらそうなっていたらしいのだが。
 留学していた頃から、掃除洗濯料理、何もかもひとりでやるくせがついていて、お陰で千雪は、東京に出て以来、京助がやってくれるのであまり不自由したことがない。
 まあ、このせまい1DKに、京助の持ち物が増えるのだけがちょっと問題なのだが。
 押入れの半分はクローゼットハンガーを入れているが、段々京助のものだけでなく、千雪用の知らない服も勝手に増殖している。


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