氷花-03

– ACT 1

3

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「せえけど、さすが、京助先輩いーひんと周り静かやなー」
 あっと言う間に食べ終え、プラスチックの茶碗の茶を一気に飲み干した佐久間は、ようやく人心地ついたようにのんびり周りを見回した。
「実習で手術に立ち会うやなんて、俺は頼まれてもごめんやけど」
 うっと、うどんの最後のひとすすりを千雪は危うく飲み込んだ。
 言葉だけで思わず血の色を想像してしまう。
「人がまだ食うてる時に……」
 ジロっと佐久間を睨みつけ、千雪は茶をすする。
「そんなんで、先輩、よう殺人事件なんか書かはりますな」
「ドロドロしたんは嫌いや」
「そういえばそうか。毒飲んで血ぃ吐いた、みたいな描写あんまりないもんな、先輩の……あ、ちょ、待ってーな、先輩ぃ」
 暢気そうに腕組みをする佐久間の話を最後まで聞かないうちに、千雪はトレーを持って立ち上がる。
「もう、言いませんよって、堪忍してくださいよー」
「……お前もおかしなやっちゃな」
 並んで食器返却口に食器を戻しながら、千雪はボソリと口にする。
「俺なんかとつるまんかて、お前、ダチおるやろ」
「俺、昼は先輩らとって決めてますよって」
「勝手に決めるな」
 千雪はたったか学食を出る。


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