真夜中の恋人100

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 京助は煙草をくわえて火をつけた。
「そいつが実はやってたってわけか」
「俺はいかにもそのガキについてもう一度分析データを作り直したみたいに提出してやった。噂を聞いたってこともついでに話してな」
 京助は笑った。
「は、それで? てめぇ、そんな薄汚れたガキと千雪を一緒にすんじゃねぇ!」
「人間の裏を読む習慣がついたんだ! きさまみてぇな一本気なヤツは騙されやすいからな」
「悪いな、俺は文子とよりを戻す気もなけりゃ、援交のガキに騙されてもいねぇ。とにかく、とっとと帰れ。俺は忙しいんだ」
 煙草の煙に目を眇めながら、パソコンに向かってキーを叩き始めた京助をしばらく見ていたが、速水は上着を掴んでドアへと向かった。
「お前、マジなんだな?」
 ドアを開ける前に、速水はもう一度振り返った。
「マジもマジ、オオマジだ。あいつを駕籠に閉じ込めて誰にも見せたくねえくらいにな」
「お前………名探偵の方はどうなんだ?」
「……マジにさせてみせるさ」
 速水は悪友の背中をじっと見つめた。
「お前、千雪に何か聞きだそうったって無駄だからな。お前とは口も聞きたくねぇってよ」
 顔を上げないで言いのける京助を、フン、と鼻で笑いながら速水はドアを押した。


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