真夜中の恋人111

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 窓からはライトアップされた庭園が見える。
「流行の隠れ家的な店ってやつだ。もっとも、取材受けたりしてると隠れ家でもなくなってくるがな」
 和風フレンチといった料理が、凝った和食器に盛り付けされて出てきた。
 コースはちょっと重いと思ったが、量的にさほど多くなかったせいか、千雪も充分食べられた。
 レポートも終わったらしい京助は機嫌がよく、千雪は事件が片付いた話などをした。
「お前のレポートは終わったのか?」
「まあ、明日で終わるやろ」
 車だからとミネラルウォーターにした京助に千雪も合わせて酒はやめた。
「腹ごなしにちょっと走るか」
 京助は環八に出ると第三京浜に入り、スピードを上げた。
「あいつ、三田村だったか、何の用で来たんだ?」
「桐島のリサイタル、来週末やから行こうて。今、桐島とつき合うてんのや、あいつ」
「ふーん」
 一応は納得したものの、昼に千雪にちょっかいというより、もろキスでもしそうなようすだったのは、何なんだと京助はまだ気にかかっている。
 だが、そんな話をちょっとしただけでそう会話もなく、やがて横浜の夜景が現れると、千雪は食事をしながらふと思った嫌な感じがまた舞い戻った。
 ここも前に女と来たんやな。
 洒落たレストランで食事をしたあと、横浜へのドライブ。
 定番のデートコースを辿るような感じで、千雪は何となく胸の奥にわだかまっているもやもやを消化しきれずに、窓の外を眺めていた。
 ところが京助が急にハンドルを切り、目の前から夜景が消えた。
 


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