真夜中の恋人115

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 フンとせせら笑い、益々不貞腐れた言い方をする京助に、千雪はムカついて立ち上がる。
「俺が頭にきたんは、お前のご学友が人のことお前の金に釣られた遊び相手みたいに、人を卑しいものみたいに言うたからや! ひょっとしてお前もご同類か?」
「俺もまあ、下司に見られたもんだな」
 京助はソファにふんぞり返って苦々しい顔で煙草の煙を燻らせる。
「おまけにいくら遊び相手かて、友達のベッドのぞいて値踏みするみたいにジロジロ見よってからに!」
「そんな輩にお前の正体知れてどうしてくれるってか?」
 少し眉を上げて、京助は茶化した。
「お前の遊び相手が男の俺やいうことが気に入らんと、俺のことつけまわして、アホなちょっかいかけてきたんは、お前のご友人の方やんか!」
「お前、俺の遊び相手だったのか?」
 京助はうっすらと笑みを浮かべているが、目にはかすかに怒気が含まれているのを千雪も見て取った。
「くだらん揚げ足取るなや! 文子さんにも、お前に今つき合うてる彼女いてるかて、聞かれたから、いてないて言うたった」
「ほう? いつの話だ?」
「飲み会の夜や。文子さんはやっぱお前のこと好きみたいやし、より戻したったらええんや。第一、遊び相手の俺になんか、女とつき合うのに言い訳なんかする必要はない。てより、お前もいっそゴールインしたらどや? 確か、文子さんてええとこのご令嬢いう話やし、お前とは家柄も釣り合うてるんちゃう? 俺、いくらでもスピーチしたるで? これまで、えろう、世話になったしな。そしたらタラシやとかゴシップ記事にされたりもないやろ」
 反論もせず、京助はただ無闇と煙草をふかしている。
 スピーチくらいできる。
 今ならまだ。
 苦しいのんはいやや。
 研二の結婚式やったら、多分、ようせなんだ。


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