真夜中の恋人121

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 京助はさほど吸わないうちに煙草を灰皿でもみ消した。
 それにしても俺からしかけてうまくいった試しはないな。
 多分、重いんだろう。
 自分でもよくわかっている。
 こんなヤツにまとわりつかれたらウザいだけだ。
 独占欲が強くて、傲慢で、俺に気があるとかいう女は、本当の俺を知らないんだろ。
 何気なく腕時計を見た京助は、千雪の風呂がやけに長いな、と思った。
「あいつ……」
 次にはバスルームに飛び込んでいた。
「千雪!」
 案の定、風呂につかったまま、ぐったりと目を閉じている。
 手すりに腕を引っ掛けているせいでかろうじて沈んではいない。
 京助は慌てて千雪をバスタブから引っ張り出し、バスローブを掴んで千雪の身体を包むと、とりあえずソファまで運んだ。
「おい、千雪!! 千雪っ!!」
 冷蔵庫から出したミネラルウォーターをグラスに注いで持ってくると、京助は千雪の頬を軽く叩いた。
「……う……あ、あれ、京助……」
 京助の腕に頭を支えられて、千雪は目を開けた。
「あれじゃねぇだろ、何やってんだ、お前は!!」
 答える前に千雪は目の前にあるグラスの水をゴクゴクと飲んで思い切り息を吐く。
「……その、夜景がきれいやな……て、湯につかって気持ちええな、思て、ちょっと目ぇ閉じたら、つい寝てもたみたいで……」


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