真夜中の恋人123

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 あの妙な変装は千雪なりの鎧なのだ。
 お前なんかいなくたって、一人で生きていける。
 精一杯の鎧を纏い、そうやって一人で虚勢を張って生きているのだ。
「バカやろう!」
 俺が本気でお前を離すわけがないだろう!
 京助はもう一度千雪を抱きしめなおす。
 そんな風に愛おし気に抱きしめられ、千雪は言葉が出てこない。
 京助の心臓の鼓動が直に伝わってくる。
「俺は、どこへもいかない」
「…………え……」
「信じなくてもいいが、俺はずっとお前の傍にいる」
 優しいのだろう。
 いやそれが研二の千雪への優しさだったのだ。
 いずれ江美子と結ばれて幸せになるだろうと。
 だが、運命なんてどこでどうなるかわかったもんじゃない。
 江美子は別の男と結婚し、千雪には悪い男がとりついた。
 だが、安心しろ。
 俺は千雪を離してやらない。
「だから、頼むから俺から離れんじゃねぇ」
「……京助……」
 千雪は京助の背中にぎゅっとしがみついた。
 あかんわ、もう………


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