真夜中の恋人124

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 こいつの言うてるんが今限りの言葉やとしても、この腕を離しとうない。
 やっぱり、いやや……
「千雪……」
「…やや、………俺を置いていくな……」
 京助は驚いた。
 千雪が珍しく本音を口にしたことに。
「……置いてきゃしねぇってっだろ?」
 柔らかな言葉が少しばかり甘さを含み、千雪の耳元に囁いた。
「お前の口からそんな言葉を聞くと、胸やらいろいろ、きちまう……」
 京助の指はゆっくりと千雪の顎のあたりをさする。
「アホ……人が真剣に……」
 胸の鼓動が次第に高くなる。
「俺が真剣じゃないわけねぇだろ? ……俺が好きなのはお前だけだ」
 さらりと口にする京助の、でも眼差しは熱くて、女なら、よほどの男嫌いでもなければ、すぐほだされてしまうに違いない。
 まともに見つめられて、千雪は思わず視線を逸らす。
 耳たぶまで熱くなっているのは自分でもわかっている。
 そうや! 女やのうてもや!
「ふ……何だよ、珍しく可愛い反応じゃねぇか……」


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