真夜中の恋人137

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 まともに文子に見つめられて、千雪はちょっと戸惑う。
「いや、いつかまたやれたらとは思うてますけど、俺一人では」
「スポンサーが必要なら、兄貴に言えばホイホイ受けてくれるぜ? 九条の家にあるっていう絵も持って来いって言えばいい」
 京助はいとも簡単そうに言った。
「企画は俺がやったるわ。今、会社の企画部にいてるんや。そうと決まったらプロジェクトチーム立ち上げや」
 三田村までが大乗り気で名乗りを上げる。
「お前ら、勝手に話進めんなや!」
「あら、せっかく皆さん、ご親切におっしゃって下さってるんだし、父にも話してみるわ」
「小夜ねぇ……、んな、軽く………」
 ともすれば気まずい空気になりそうなところを、天然な小夜子が和やかなムードへと変え、やがて文子と速水が暇を告げると、京助が小夜子と千雪を車で送ることになった。
「小夜子さんって、昔からああなのか?」
 小夜子を原の家に送り届けて、京助は家から借りてきたベンツを麻布へと向けた。
「何がや?」
「だから、ドン臭いのかって」
 京助のストレートな言い草に、千雪はムッとする。
「ちょっとは、まあ、そや。けど猛さん亡くなってから、考え込むこと多いし」
「あれじゃ、男にすぐ騙されるんじゃねぇのか?」
「そういうとこははっきりしとって、告られてもその場でスパッと断ってしまうねん。それが、あの物言いやから、相手も申し訳なくなってしまうみたいで」


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