真夜中の恋人14

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 さっきまで小難しい話をしていた法医研の助教もいい加減酒も入り、コイバナとなると牧村と掛け合いのようにここぞとばかりに京助に対する不満を口にする。
「京助くん、今、決まった相手、いないんでしょ? 文子さんも」
「いや、俺は」
「いないいない。遊びはもうこの辺で卒業したらどうだ?」
 反論しかけた京助の言葉を遮って、向かいに座る速水が断言する。
「勝手なことを言うな。相手はいる」
 速水に食って掛かるように、京助は声を荒げた。
「ほう、さぞステキな美人なんだろうな? だったらちゃんと俺に紹介しろよ」
「お前に紹介する義理なんかねぇ!」
「久しぶりに会った親友掴まえて、えらい言い草だな? 俺はお前を心配してやってんだぞ?」
「それこそ余計なお世話だ! 人のことより、自分のことでも心配しとけ!」
「こらこら、その辺にしときなさいよ」
 今にも掴みかかりそうに険悪な雰囲気の二人を、牧村が宥める。
 千雪はそのようすを端から見ていたが、京助が相手がいると言った時、文子の表情が少し寂しげに曇ったのを見逃さなかった。
 文子さんはまだ京助のことを好きらしいやん。
 この際、ほんまにくっついてしもたらええんや。
 京助のことで何だかだと考えたり、振り回されるのもウザったい。
 わけのわからないモヤモヤした感情に支配されるのも。
「ちぇ、どうせ俺は振られっぱなしな、情けない男だよ」
 今度は拗ねたように速水は酎ハイを空ける。
「速水さんなんか、京助に負けずベッピンなパツキン美人にモテモテなんじゃないんですか」


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