真夜中の恋人18

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 牧村が頷きながら周りに同意を求める。
「そうそう、俺、思わず、名探偵、犯人になっちゃったんか、とかって、思ったもん」
 それが法医研の助教の言いぐさか、と千雪は心の中で突っ込む。
「二件目は一件目の便乗犯で、だいたい、人相風体が似ているからって、俺のとこ来ること自体、初動捜査の時点で間違ってるし。ちょっと調べれば、着てるものかて違いはわかったはずやのに、メガネとジャージなんてものだけに踊らされるやなんて、日本の警察トップが呆れますわ」
 おっとまた、言い過ぎないようにここいらで止めておこうと、千雪は自制する。
「それで結局どうなったの?」
 まだ牧村の好奇心は満たされないらしい。
「小林くんのアリバイ、ちゃんと証人がいたんだよね」
 隣から宮島教授が助け船を出した。
「そっか、なるほど、それで名探偵は解放されて、事件を解決したと」
「いや、俺は何もしてませんよ。ちゃんと警察が調べたからでしょう。もともと身内には目を向けないってのが警察ですからね」
「こりゃまた手厳しいね」
 宮島が笑った。
「そういえば、君のアリバイを証明した工藤くん、喜んでたよ。君が小説の映画化、OKしてくれたって」
 千雪には、できればこの場では引っ張り出してほしくない話題だった。
「えええっ?! 小説、映画になるの? いつ? すごーい!」
 案の定、牧村のお蔭で、またひとしきり千雪はみんなからつつかれた。
 その話題が一段落する頃、宮島教授がそろそろ失礼するよ、と立ち上がった。


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