真夜中の恋人19

back  next  top  Novels


 それを合図のように、じゃあ、河岸を変えようというので、一旦お開きとなった。
 当然、千雪はこのままとっとと帰るつもりだった。
「ここは俺のおごりってことで」
 速水の一声に、歓声があがる。
「太っ腹!」
「速水さん、大好き!」
「次、どこにします?」
 口々に言いたいことを言いながら店を出る。
「どうぞ、教授」
 エレベーターは二基あったがどちらも狭く、ドアが開くと、速水は宮島教授や伊藤準教授、関谷教授を先に乗せた。
「まだ乗れますね、じゃあ、私も乗ります。小林さんもどうぞ」
 文子に促されて、これ幸いにと千雪も乗り込んだ。
「ずるいぞ、名探偵!」
 後ろから声がかかったが、すぐエレベータのドアが閉まった。
「そういえば、小林くん、聞いてるかな」
 思い出したように、宮島が言った。
「何をですか?」
「工藤くんたち、三羽ガラスって言ったよね、実は三羽じゃなかったんだ」
「どういうことです?」
 千雪には宮島が何を言いたいのかわからなかった。
「せっかくだから、調べてみるといいよ。そうだね、工藤くんはまだ、引きずっているんだろうね」


back  next  top  Novels

にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL小説へ