真夜中の恋人20

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 宮島の顔は苦そうな笑みを浮かべていた。
 次のエレベータが着くと、途端、辺りが賑やかになる。
「じゃあ、私はこれで失礼するよ」
 宮島が言うと、関谷もそれに続いた。
 すかさず佐久間がタクシーを止めた。
 二人が一緒に乗り込んだ時、ちょうど最後のエレベータが着いて、速水や京助、牧村らも慌ててやってきて見送った。
「さあて、どこ行く?」
 伊藤準教授は、宮島らよりは若いこともあって、まだまだこれからという顔だ。
「ねえ、小林さん」
 速水や伊藤、牧村らが次の店がどうのと言っているうちに、こっそり消えようともくろんでいた千雪は、傍に立っていた文子に呼ばれて振り返った。
「はい」
「聞いてもいいかな、小林さんて京助さんと親しいのよね?」
 千雪には文子が何を聞きたいのか、すぐに察しがついた。
「京助さん、つきあってる彼女いるんだ?」
「いないと思いますよ」
 即座に千雪は答えた。
「そう」
 ある意味、事実である。
 付き合っている彼女は今はいないはずだ。
 俺は彼女やないし。
 文子の表情が幾分ほっとしているように見えたのは錯覚じゃないだろう。
 こういう面倒くさいのんは、大嫌いや。
 ほんまに、ヤケボックイに火つけたらええんや。
 千雪はみんなの輪から少し離れたところで速水と何やら言い争っているらしい京助に目をやった。


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