真夜中の恋人22

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 ひょろっとした長身だが、京助の後輩で空手の有段者というだけあって、案外力では勝てなそうだが。
「仕事て、何ですねん? でもさっきの話、ほんまに映画化するんでっか? あのやくざで怪しい芸能プロの社長なんかと、心配や」
 まんざら言葉の上だけでもなさそうではあるが、むしろ放っておいて欲しいものだ。
「お前に心配されるようなことはあれへん」
 いい加減、まとわりつくな、と思っているところへ、携帯が鳴った。
「はい、ああ、あんたか」
 話を聞いていたかのようなタイミングで、工藤が電話をしてきた。
「これからオフィスに来れないか? ヒロイン候補に合わせたい」
 こんな状況でなければ、そっちで勝手にやってくれとでも言うのだが、ここを抜け出す言い訳ができたようだ。
「ほな、今から行きます」
 携帯を切ると、「ほならな。何か聞かれたら仕事やて言うといて」と佐久間に言い残し、タクシーを止めて乗り込んだ。
 それを見ていた京助が慌ててやってきた。
「何だ、あいつ、どこ行った?」
「はあ、今、電話があって、仕事やて言うて、行かはりました」
「電話だと?」
 すぐさま追いかけようとした京助だが、「何してんのよ、行くよ」と牧村に腕を引かれた。


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