真夜中の恋人28

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 二人の会話を聞いていた万里子が口を挟む。
「えっと、まさか、小林さんって…………」
「小林千雪、原作者と会ってもらうと言っただろ?」
「ええええええーーーーっ! ウッソォ! 何で???」
 工藤の答えに、万里子は思わず立ち上がった。

 万里子には、小林千雪の正体については社外秘だといい含めて、工藤は万里子と千雪のためにタクシーを呼んだ。
 いちいち驚かれるのも面倒なので、千雪としてもそうしてくれると有難かった。
 部屋に辿り着くとどっと疲れが出て、千雪はベッドに倒れこんだ。
 肉体的疲労というより、人間関係的なものが原因に違いない。
 シャワーを浴びて寝ようと、バスルームのドアを開ける。
 飲み会で散々いじられた挙句、青山プロダクションでもまた美女に絡まれるなんて。
「全くいい加減にしてほしいわ」
 工藤ときた日には適当なことばかり人に振りまいてくれるし。
 ふとその時、千雪は宮島教授の言葉を思い出した。
「調べてみるといいって、工藤のこと?」
 怪訝な面持ちでバスルームから出てくると、喉が渇いて冷蔵庫に一本残っていたポカリスエットをマグカップに注いで飲み干した。


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