真夜中の恋人32

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    Act 4

 
 一限目の講義のあと、千雪は図書館に出向いた。
 飲み会の時の宮島教授の言葉が気になっていたのだが、ここ数日忙しくて時間が取れなかったので、いつの間にか週末になってしまった。
 実は三羽じゃなかったんだ、ということはつまり、他にまだ誰かがいた?
 荒木志郎、小田和義、工藤高広
 この三人の名前はすぐ見つかった。
 名簿に三羽烏云々が記載されているわけではない。
 荒木って確か、鬼検事とか呼ばれてる難しい顔の検事が荒木っていったけど、あの人かな……
 そうか、ゼミのアルバムか何か探したら何かわかるかな。
 そう思いながらページを捲った千雪は、ふとある名前に目を留めた。
「桜木……ちゆき……?」
 男では珍しいかもしれないが、女性ならある名前だろう。
 気になったのは法学部だとはあるが卒業という記載がないことだ。
 ちゆきという名前と法学部だということ、そのことが千雪の中で一つの仮説を大きくさせた。
 思い出したことがある。
 工藤の別荘で、編集者に自分宛の宅配便を送ってもらった時のことだ。
「小林……千雪、ちゆき、と読むんですかい?」
 受け取った平造が千雪に渡す際、少し戸惑い気味に尋ねた。
「ええ、ありがとうございます。男やからもっと勇ましい名前にしとってくれたらて、昔はよう思いましたけど」


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