真夜中の恋人48

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 途端に不機嫌になる。
「やあね、隠さなくてもいいじゃない。すごい美人なんですって?」
 今日はケラケラ笑う理香を睨みつける。
「いたとしてもお前らに紹介するような義理はない」
「何よそれ? 美沙さんに振られたのが私たちのせいとかまだ根に持ってるの? 別にいじめたりしなかったわよ?」
 苛めたわけではないだろう。
 だが、派手で金を空気のように使って遊びまくる理香のような連中に囲まれ、美沙は違和感を感じたようだ。
 前の男とよりを戻したから別れたいという理由だったが、住む世界が違うとそう言われたことの方が大きな要因だったのではないかと、自分がもっと気を使っていればと後で悔やんだが既に遅かった。
 文子は住む世界といえば、理香とさして変わらなかったかもしれないが、こんなところで遊びまくる連中とはまた人種が違ったし、多少のことでぶれるような女ではなかったが、当時京助の方が美沙を忘れきれなかった。
 いずれにせよ今となっては既に昔の話だ。
「それでいったい何の用だ?」
 理香のお蔭で余計なことを思い出し、イライラしながら京助はグラスを空けた。
「だからその真夜中の恋人のことだ」
 理香が離れていったのを見計らって、速水は声を落とした。
「まさか、本気じゃあるまい? あんな坊やに」
「お前に関係ないことだ」
「俺は心配なんだよ。お前が、言われているほど遊び人じゃないし、結構一途で不器用なやつだってことはよく知ってるからな」


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