真夜中の恋人5

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 地下鉄の入り口まで早足で歩いてから思い出したように、「当分会わない。連絡もするな」と京助にメールをしてすぐ、電源を切った。
「京助のアホンダラ!!」


 都内で開催された研究会に教授のお供で出席した京助は、夕方、やっと研究会が終わり、どうだね、一杯付き合わないか、という教授に、実は身内に不幸がありましてとどこぞで聞いたようなありふれた言い訳をして部屋に戻ろうと車に乗り込んで初めて、千雪のメールに気づいて慌てた。
 もちろん何度も携帯をコールしてみるが応答はない。
 まさかまた工藤のところ、いや、もしや京都へ舞い戻ったとかと、思いを巡らしていたその時、携帯が鳴った。
「………お前か」
 いつだったか帰国するという電話をもらった気もするが、そんなことはすっかり忘れていた。
「今、忙しいんだ、切るぞ」
「噂の『真夜中の恋人』にお目にかかったよ」
 あたふたと切ろうとして、気になる台詞に眉を顰める。
「何だ、克也、その背中に虫唾が走るような代名詞は」
「まさか本人が知らないのか? お前が超のつく美人を最近連れまわしてるらしいと、安井らから聞いたのさ。それも真夜中限定で。で、一体どういう相手だろうと、仲間うちじゃ想像たくましくしてるみたいだぜ?」


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