真夜中の恋人6

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 京助は舌打ちした。
 マスコミに妙なことを書き立てられないようにとは、気をつけていたつもりだが。
 女ならいい。
 いや、いいわけではないが、少なくとも千雪のことを取りざたされなければだ。
 世間がどうのではない。
 千雪本人がまた別れる切れるを言い出さないとも限らないからだ。
「いや、俺もお前がそんなに入れあげているっていう相手に興味はあったが、噂以上の美人じゃないか? 俺もとんとあんな美人にはお目にかかったことがない。一体どこで捕まえたんだ? いや、捕まえられた、か?」
 いきなり雷に撃たれたような思いがした。
「貴様、一体どこで……?」
「たったさっき、お前の部屋で、お前がいるかと思って部屋に入ったら、眠れる森の美女ならぬ美少年がいて、もっと話したかったのに帰っちまってさ、ああ、東京にいる間しばらくまた世話になるぜ」
 すぐに千雪のメールの意味がわかった。
 しかも恐ろしく怒っているだろうことも。
「断る。どこかホテルでも探せ」
「おいおい、そりゃ、ないだろ? お前と俺のつきあいで。あ、まさか、あの坊やのせいとか言わないよな?」
「とにかく、部屋を出ろ。鍵は置いて行け」


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