真夜中の恋人69

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 千雪は一つ大きな溜息をついた。
「千歩譲って、お前がそんなことを言うたから、あいつは援交目的の男にイカレてるらしいお前のことを心配して、俺のことお前から引き離そうとして、呆れたことを言ってきたとする」
「俺は……」
 京助が何かを言いかけたが、それを千雪は制して続けた。
「そこで、お前が実はと俺の素性を言うたとして、あいつが今度は何を言うか、大概予想はつくやろ? たかが探偵小説書きに、お前は騙されてるんだ」
 千雪は京助を見据えて断言した。
「一万歩譲って、男に騙されてるお前をまっとうにしたったろう、思て、あいつが寝ぼけたことを言うたんやとして、お前がご学友のために取るべき最良の手段は、文子さんとより戻すことやない?」
「お前、聞いてりゃいい加減にしろよ! 俺は彼女とはきっぱり何でもないといったはずだ! それ以前に、お前を……」
「でかい声出すなや!」
 千雪に睨みつけられて、京助は苦々しい顔で口を噤む。
「はっきり言うて、お前のご学友とは口も聞きたない。やから、もうこのあたりで俺ら、終わりにするんがええな。潮時や」
 京助の眼差しが険しくなった。
「俺の本気を甘く見るなよ、千雪。そこまで言うんなら、やつと縁を切る」
「アホちゃうか。誰が見たかて、その選択は間違うとるて言うやろ? 俺のためにダチと縁切りとか、この先家族に反対されたら? また縁切るん? 俺のためにとかそんなん、荷が重いし、そういうメンドイの嫌いやねん」


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