真夜中の恋人71

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 部屋の電話が鳴った時は十一時になろうとしていた。
 割と夢中になって原稿に向かっていたので、時間が過ぎたのもわからなかった。
「え? まだ締め切りやないやろ? あ、ひょっとして三田村か」
 携帯は電源を切ってあることも多いので、三田村には部屋の電話番号を教えておいた。
「おう」
 案の定三田村からで、翌日の夜はどうかと打診してきた。
「うーん、せやな……それまでには原稿も上がるやろし、ええで。どこにする?」
 すると、車で大学まで迎えに行くという。
「来んでええ」
「遠慮しいなや」
「お前、コスプレが見たいだけやろ?」
「まあ、そうとも言う」
 電話の向こうで三田村の笑い声がする。
「桐島も一緒?」
「ああ、彼女はその前に、人と会うらしいんで。お前、知ってる? 速水とかいう学者先生。確かT大に今いてるやろ?」
「速水?! いてるけど、何で?」
 千雪は驚いた。
「うん、前にニューヨークで口説かれたらしい。それで今、彼女が東京にいてるてわかったら、連絡してきたんやて」
「口説かれたらしいて、お前、彼女と付き合うてるんやろ? 何でそんな男に会わせるん?」


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