真夜中の恋人77

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 いや、そもそも三田村にさえ言えないというのは、何かしらのわだかまりがあるからだろう。
「何や、俺にも言えない相手ってわけ?」
 いない、と言えば済む話なのに、千雪は逡巡する。
「いや………つき合うてるのかどうか、わかれへんね……何か、いつの間にか、みたいな」
 一瞬、三田村は口を閉ざす。
 閉ざしてじっと千雪を見つめた。
「好きなのか? そいつのこと」
 妙に真顔で三田村は尋ねる。
「好きか嫌いかどっちか言うたら、好きなんやろけどな……俺のことはええやん。お前らこそ、お互い束縛はしない、て、ええんか? そんなんで」
「ええんや。今のところお互い、これからどうなるかて、楽しみでもあるし」
「ふーん、えらくさばけてるんやな」
 ふうと三田村は息をつく。
「俺ら、実は同じ相手に失恋してた、同志なんや」
「何やそれ」
 同じ相手?
 頭の中で何か引っかかる。
「俺が桐島に告った時、言われた。本当はあなたの見てる人は私やない、て。私も同じ人を見てたからわかる、て」
「え?」


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