真夜中の恋人78

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 千雪は三田村の言ったことを頭の中で理解しようとして、余計にこんがらがった。
「鈍いんだよ、大体、お前は!」
「わかるように言えよ!」
「やから、ほんまは俺はお前が好きやったんや!」
 つい、声に力が入ったせいで、周りの注目を一斉に浴びてしまった。
「大学に行って、つき合うた女は何人かいたけどな。相手が盛り上がると俺はもうダメで、タラシにされてしもたわ。お前のせいや、全部」
 周りの目など気にするようすもなく、ガツガツと豚肉のパテを食べながら三田村は恨みがましく文句を言う。
「そんなん、俺のせいにすんなや」
 千雪も今さらそんなことを言われてもとホタテをつつく。
 第一、どこをどうしたらそういうことになるのか、小、中、高と三田村にはイジメに近いいじられ方をしてきた千雪にはさっぱり理解できない。
「小林くん、三田村くん、お待たせ」
 何だか妙な話になりかけたところへ、桐島が現れた。
「おう、早かったな」
 隣に座る桐島に、三田村が言った。
「え、もっと後の方がよかった?」
 やってきたウエイターに、ワインといくつかの料理をパパっと頼むと、桐島は千雪に向き直る。
「それより、さっき、びっくりしたわ。これは知らない振りをするべきや思たけど、何? あれ、おもろかった」
「何や何や、さっきてどういうこっちゃ? 二人して、俺に内緒の話か?」


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