真夜中の恋人8

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 フッとそんなみんなのことを思い出して笑った時、どこからともなく、げ、笑ったよキモイ、などと聞こえてきたので、千雪は思わずその声の方を向いて、にっこり笑ってやった。
 声の主の女子学生らは、きゃあ、キモイ~とばかりにひしと抱き合っていた。
 そういう反応も面白くて、心理的な要素として小説に取り入れようかなどと真面目に考えている昨今である。


「あ、先輩、みいーーっけ!」
 サンドイッチで軽く昼を済ませ、ゆっくりカフェテリアでコーヒーを飲んでいた千雪のところへ、うるさい男がやってきた。
「先輩、まぁた携帯切ってるやろ? 色々話あったのに」
 勝手に向かいに座り、佐久間は持ってきたコーヒーをズズッとすする。
「俺にはない」
「またまた、そんなつれなさそうな顔して、ほんまは聞きたいんですやろ?」
 ぐぐいと顔を覗きこむようにする佐久間に、千雪は思わず後ろに身体を引いた。
「今夜の飲み会、先輩も行きますやろ?」
「飲み会? んなもん、行くか」
「またまたまた~、絶世の美女がきはるんでっせ? 大原文子さんいうて、しかも超才媛、ここの二年の時、マサチューセッツ工科大に留学しはったいう、正真正銘の深窓の令嬢でっせ?」


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