真夜中の恋人80

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 つまり、文子さんは俺の加勢をしてくれはったと。
「何や、それでお前そいつに大学でいじめられよったから、何をしたんや?」
 三田村が我慢できずに話に割り込んだ。
「私に愛してるって言ったのに、女と会ってるなんて、ひどい! って、ラウンジで速水さんに」
 桐島が説明すると、三田村はくっくっと笑う。
「言うたんか? そらま、気の毒に」
「桐島に振られた話、自分でしてたし、これで最後の望みも消したったかなと」
 千雪はさらりと言って、残っていたワインを飲み干した。
「こいつに睨まれたら最後、どないな目にあうか、身をもって知ったわけやな? そいつ」
「おかしな言い方しいなや」
 そうや、速水のことを気に食わん理由、他にもあるかもな………
「覚えとるやろ? 二年の数学の大崎、徹底してこいつに無視されよって、次の年には転任していきよった」
 三田村がテーブルを叩きながら笑う。
「転任まで俺のせいにすんな。やから、上のもんやとか、市議の息子とかやと裏でヘコヘコしよって、ちょっと気に入らん生徒つかまえて必要以上にネチネチ言うとったやんか、あいつ」
「授業中は当てられてもわかりません、言うといてお前、試験は満点取るし、あいつが何言うても無視やったし、お前がそういう態度取るからみんなも真似しよって」
「逆パワハラか? イジメてもたんかな、やっぱ、俺」
「白々しいわ、今頃」


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