真夜中の恋人86

back  next  top  Novels


 速水はホテルNのラウンジから自分の滞在しているホテルOへと戻る道すがら、京助を呼び出して文句を言わないではいられなかった。
 ひどくイラついていた。
 あんなガキにしてやられるとは。
 あんなガキに。
 あの類のガキは躾けなおしてやる必要がある。
 世の中そうそう甘い人間ばかりじゃないのだと。
 京助を誑かしているのなら、ガキには灸をすえて、京助の目を覚まさせてやらないと。
 京助が話したのでないなら、どうやって俺が彼女とあそこで会うことを知ったんだ?
 あのガキ!
 ただじゃおかない。
 部屋に戻るとルームサービスでワインと料理を頼み、シャワーを浴びた。
 少しワインをやった後、しばらく論文をいじっていたが、ふと思い出したことがあった。
 そうだ、確かあのプロダクションから出てきたんだ。
 京助の後をつけた夜のことを頭の中で辿る。
 モデルか俳優のタマゴってところか。
 思い立つといてもたってもいられなかった。
 きっちりとスーツを着込むと、速水はもう一度部屋を出た。


back  next  top  Novels

にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL小説へ