真夜中の恋人95

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 何故、大学で小林千雪に会った時、無闇に不快そうにしていたのか。
 何故、小林千雪が飲み会を極度に嫌がったのか。
 何故、必要以上に大学で自分に敵対心を顕にしていたのか。
 その謎は瞬く間に氷解した。
 要はあの朝の出会いは小林千雪にとって最悪の出来事だったわけだ。
 しかもあいつに言った、陳腐で下卑た誘い文句、あくまであいつがてっきり、ちょっと見がいいのを利用した援交目的のガキだと思いこんだからだが………。
 まるでスキものの成金のエロオヤジみたいな口説き文句を並べ立てた俺を、思い切り蔑んだ目で見ていた理由もわかるってもんだ。
 幾ら何でも、小林千雪とわかっていたら、あんな文句を並べ立てるわけがないだろ?!
 思い返すと頭から火を噴きそうな思いがする。
 その上、桐島のことで何でこんなやつにと舞い上がってつっかかったからか、小林千雪には、しっかりやり込められた。
 待てよ、それじゃ俺は、取るに足らない心理学者の上に、金をチラつかせて援交のガキをモノにするようなエロオヤジってな烙印をあいつに押されたってことか?
 くっそ、冗談じゃないぜ!
「いや、問題はそんなことじゃないか」
「え、何ですか?」
 一人自分の思いにふけっていた速水がポツリとこぼした言葉に、三田村が聞き返す。
「いや………」


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