真夜中の恋人99

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 すると速水は長い溜息をついた。
「初対面が最悪だったんだよ。実際、あんな……きれいなやつには会ったことはなかったからな。驚いたのと………ちょっとお前をやっかんだんだ。で、どういう関係なんだと勘ぐりたくもなるだろう」
「言っとくが、最初に酔っ払ったあいつをベッドに押し倒してイイことしようとした時は、俺もあのナリの裏なんか予想もしてなかったさ。お前が余計な心配してくれたように、あいつの容姿に騙されたわけでも何でもねぇ」
 苦笑いする京助を速水は睨みつけるように見た。
「最近、向こうの警察に殺人事件の被疑者の心理分析を頼まれたことがあった。被疑者がまだ十六、七のストリートギャングの見てくれはきれいなガキで、話してみると、こんなことをするつもりはなかった、エロオヤジが襲ってきたんで咄嗟に逃げたんだっていうのさ」
 京助はキーボードを叩くのをやめて、とりあえず黙って速水の話を聞いていた。
「フン、俺も未熟だと思い知らされたのが、銃は男の物だったし、ガキが結局証拠不十分で釈放されたその後だ。偶然そのガキを街で見かけて、ストリートギャングには興味あったんで、そいつが仲間と屯している店に入って、トイレでたまたま、そのガキが自慢げに話しているのを聞いちまったのさ」
 速水はフン、とほくそ笑みながら続けた。
「あのエロオヤジ、ちょっと誘ったら金をチラつかせて乗ってきたから、やらせた後、やつが寝ている隙に財布から金を抜いてさっさとズラかろうとしたら、目を覚まして、金を盗んだと怒鳴りながら襲い掛かってきたんで、手近にあった銃で撃った」


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