お正月17

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 展覧会のために原夏緒の絵の消息を三田村が調査したところ、そのコレクターに辿り着き、展覧会に絵の貸し出しを依頼したのだが拒否されたと言っていた。
 描かれている子供のモデルは千雪と研二と江美子だ。
「え、けどこれって、確か何とかいうコレクターが持ってて、離さなへんいうてたやろ」
「ちょっとした取引をしただけさ」
「取引て……ぎょうさん金積んだとかやないやろな?」
「金なんか使うか。頭使っただけだ」
「はあ?」
「俺が持っていた絵と交換しただけさ」
「どんな?!」
「バリシニコフの小品。だったら交換してもいいってさ」
 千雪は呆れるしかなかった。
 ユダヤ系ロシア人でアメリカ国籍のバリシニコフといえば、フォビズムの流れを汲む著名な画家である。
 多作家として知られているが、小品とはいえ本画なら高級外車くらい買えてしまう程の値がついているものもあるだろう。
 『向日葵とこども』は確かに原夏緒の作品の中でも秀作といえるものだが。
「おい、何でこの絵、ここにあるんや?」
 居間に入るなり、目ざとく三田村が絵を見つけて千雪に問いただした。
「京助や」
「はあ、なるほど」
 それだけで納得したらしい三田村は、辻という珍しい存在に興味を示して、何だか知らないが二人でこそこそ盛り上がっている。


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