かぜをいたみ 20

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「名探偵は実はポンティアクを乗り回し、アイドルを乗り回し……ってか? 小説よかずっとおもしれーじゃん」
「車はダチが中古屋やよってまわしてくれるんや。アスカは親同士が親しかっただけや」
 嫌味の交じった台詞に千雪は応戦する。
「言いようもあったもんだな」
 千雪はそれ以上相手にせず、また携帯を睨む。
「連絡待ち? 渋谷か」
 工藤がニヤリ。
 敏腕刑事も工藤にかかっては、そこいらのひよっこ同然のような扱われようだ。
「ええ。……昨夜、栃木まで行ってきた帰りなんですわ」
「まさか、寝てないなんて言うんじゃねーな?」
 ジロリと工藤が睨みをきかす。
「ハア…そう、たくさんは寝てまへんけど……」
「何が、たくさんは寝てねぇだ、俺の目をごまかせると思うなよ。さっさと帰れ! バイクできてるのか? 仕方ないな、もういいから、向こうで寝てろ」
「平気ですよ。とにかく渋谷さんから連絡もらわんと」
 と、その時また携帯が鳴る。
「おう、研二!」
 途端、千雪は嬉しそうに声を上げる。
「うん、今工藤さんとこのパーティなんや。え、いや、いてへんけど。アスカとかいてるし。誠もくるて。え? ほんま? ヒマなん? きてや。うん、ほな、あとで」
「今度は誰だ?」
 携帯を切ると同時に、工藤が問いただす。
「研二です。ヒマやからここにくるて」
「研二さんもくるの?」
 アスカの声も弾む。
「なるほど、お仲間も一緒に手なずけてるってわけ」
 流はイチイチ突っ掛かる。
 少し長めの髪を真ん中で分けて、はっきりした顔立ちが歪んで笑う。
 確かに昨今のカッコいい男NO.1と騒がれるだけはある。180センチ近い千雪を軽がる見下ろす身長からして、千雪はカンに触る。
「おう、タコヤキ買うてきてくれるいうし」
 流を無視して千雪は言った。

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