Novel ◆ 京助x千雪Top ◆ back
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離婚に同意したのは、逆に愛しきれなかった妻への償いであると同時に、千雪への思いを断ち切るために彼女の謀に抗することなく、乗ってしまった自分へ課した罰だと、研二は京助に語った。
一度は千雪を研二に返さねばならないかと覚悟した。
だが、脆弱な精神はどうしても千雪を手放すことができなかった。
俺にはお前を責めることはできない。
京助は心の中で研二に告げる。
だが、やはり、どうしても、千雪だけは連れて行かないでくれ。
京助は心の内で叫び、腕の中の千雪を抱きしめる。
様々な運命の歯車が噛み合わさって軋む。
そろそろ夜が明ける。
―――――――暑い一日がまた始まる。
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