誰にもやらない6

back  next  top  Novels


 ちょうど高速を降りた辺りから雪になり、会社が所有する軽井沢の山荘に一行がようやく辿り着いた頃にはもう十時を回っていた。
「女の子は二階の窓の大きい方の部屋やね、ヤローはそっちの八畳間」
 山荘に着いて一旦リビングに落ち着くと、すかさず大沢が部屋割りを言い渡した。
 近くのスキー場まで徒歩数分、遊び好きな社長の春日が奮発して買ったという3LDKである。
 古いアメリカンタイプの山荘は結構くたびれているがビルトインガレージに車二台は楽に置けるし、風呂は一階と二階にそれぞれついていた。
「すげぇ雪……」
 浩輔はカーテンを引こうとして窓から外に目を凝らした。
 東京にいるとこんな雪はそうそう拝めない。
「奈美ちゃん、スノボ、やるぅ?」
「やるやる!」
「コースケちゃんもやるよね?」
 だらっとリビングのソファに陣取り、早速飲み会が始まった男どもに対して、吹雪だろうが何だろうが女の子には関係ないようでおしゃべりが弾む。
「だから、俺、スキーしか持ってないし…」
 急にふられて浩輔は返答に困る。
「どのくらいすべれるんや? コースケ」
 さっそく女の子にかまわれている浩輔を見て、佐々木が背後から首を突っ込できた。
「えー、ほっとんど、俺、初心者で」
「ほな、鍛え甲斐があるなあ」
「えっ、冗談やめてくださいよぉ」
 長旅の疲れもどこへやら。
 遊びの前のワクワクムードで、みんなではしゃいでいるうちに、夜は更けていった。


back  next  top  Novels

にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL小説へ