逢いたい12

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 ドラマの設定の話になり、坂口が宇都宮に尋ねた。
「ええ、バリバリの道産子ですよ。釧路ですけどね」
「まあ、内容的にはカッコいい俊治って感じじゃないがな、どっちかっていうとワイフと若い恋人の間で右往左往するカッコ悪さか」
「両手に花じゃないですか」
 宇都宮は笑う。
「牧歌的でサラリとした雰囲気で、バックには第六番、大学病院勤務の外科医でハンサムガイでちょっとタラシだがワイフは大病院の娘で将来安泰、人生順風満帆な四〇代の男ってのが君だ」
 坂口はニヤリと笑う。
「奥方も外科医で美人、こっちは竹を割ったような性格できついが明るい、職場結婚して十年、子供はいないが互いを認め合っているってな理想的な夫婦だ。ところが男がたまたま出張で生まれ故郷の小樽に帰った時、別れた昔の恋人の娘と出会う、とまあ、結構ありそうな設定だ」
「恋人の面影をその娘に見てのめりこんじゃうとか?」
「まあ、そうだ。とりあえず原作を読め。『田園』って、ちょっと前にベストセラーになっただろ」
「過激だけど透明感のある描写って話題になりましたよね」
 それを聞いていた良太がつい口を挟む。
「あ、すみません、余計なこと」
「いや大いに口出ししてくれよ。君は読んだ?」
 坂口は良太に微笑んだ。
「ええ、ざっとですけど、内容的に深いのにサラッとした空気感というか、大須賀健の話題作ですよね、女子高生がヒロインだから」
「えっ、俺、女子高生と過激にやっちゃっていいんですか?」


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