逢いたい24

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 外に出ると吹雪はおさまっていたが、降りしきる雪に思わず首を竦めながら良太はコンビニに向かった。
 下着とワイシャツ、それにポカリスエットを買って良太がホテルに戻ると、工藤はソファセットでモバイルを開き、また電話をしていた。
 良太は邪魔をしないようにと思いながら広いバスタブに湯を張ると、ゆっくりと身体を沈めた。
 工藤に逢いたくて、札幌まで来てみたのだが、いざこんな風に一緒の時間を過ごせてしまうと、でもいいんだろうかなんて思ってしまう。
 おまけに坂口さんや宇都宮さんの前で寝ちまうなんて
 朝は暗いうちに起きだして撮影に向かったし、もっと長引くかと思った撮影は、井上と川西の間で例によって細かい諍いはあったもののすんなりと終った。
 だが、つい調子に乗って札幌まで来てみれば、坂口らとの同席に自分でも気づかないうちに緊張していたのだろう、大きく息を吐くとどっと披露感に襲われる。
 ってか、工藤こそ、ただでさえ飛び回っていて疲れてるに違いないのに。
 かえって世話をやかせてしまったことに良太は自分が情けない。
 それこそ本気でゆっくり風呂になんてこともできずに良太が風呂から上がると、工藤はまだモバイルに向かってキーボードを叩いていた。
「先に寝てろ」
 ポカリを少し飲んでから何か声をかけた方がいいだろうか、などと思いつつぼおっと突っ立って工藤を見ていた良太に、工藤が素っ気なく言った。
「じゃ、おやすみなさい」
 ベッドに潜り込んだものの、さっき熟睡したせいか目を閉じても眠りが浅く、良太は寝返りを打った。
 どのくらいたったか、良太は隣のベッドとの間に工藤が立っているのに気づいた。
「……工藤……?」
 少し目を開けて呟くと工藤が振り返った。
 すると工藤の指が良太の首筋に伸びてゆっくりとさする。
 それだけで息を漏らしそうになった良太は慌てて呑み込んだ。
 ふわりと落とされた口づけが次第にしつこくいやらしくなると、覚えのある甘い痺れが良太の背中からつま先まで走る。
 次にはするりと抱き込まれてベッドに押しつけられる。
「……ちょ、疲れてるんじゃないのかよ」
「誘ったのはお前だろ」
「……っ! 誰が誘ったり……」
 口では減らず口をたたくものの、抱きしめてほしいなんて思ったかも知れない。


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