ある日の午後2

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 良太の頭は理解不能な女子連の動向に混乱をきたしていた。
「でも、よかったあ! やっぱラストがああじゃなかったら、多部のやつ殺してやるとこだった!」
 アスカの口から今度は物騒な言葉が飛び出した。
「そうそう! ほんとに、ターくんもコウさんも、ほんとによかった!」
「だよねーー、ミッシーはあれだけカッコいいんだから、次なんかすぐみつかるよ。やっぱ、あれが当然よね!!」
 しかし今度はみんなが笑っている。
 一体全体何がどうしたんだろう。
「何がどうしたって、どういうことですか?」
 電話の向こうから小菅課長に興奮気味に問われて、良太はついうっかり言葉にしてしまっていたことに気づいた。
「いえ、すみません、とにかく、沢村の日程は変えられません。あまりしつこく言うと、だったらやめるって言いだしますよ」
 きっぱり断言した良太に、さすがに小菅課長も諦めたらしく、スケジュールの確認をして良太はようやく電話を置いた。
「なんなんですか? あれ」
 良太はコーヒーを取りにいったついでに、少々お疲れ気味の顔で、こちらは束の間のオフをまったりとソファでくつろいでいるマネージャーの秋山と谷川に女子三人の方を目で指示して声をかけた。
「あれ? 知らないの?『恋するオッサン、春』」
「は?」
 ちょっと笑みを浮かべて逆に聞き返した秋山を、良太は訝し気に見た。
「ああ、深夜番組で、なんか、男同士のなんちゃらのドラマ、やってただろ?」
 谷川に言われて、良太はようやく、ああ、と思い出した。
「深夜帯だし、内容が内容だからか、視聴率は振るわなかったけど、多部ってプロデューサーと制作サイドがしかけたSNSとかで、ものすごいファンが急増して、ドラマが終了したにも関わらずファンが増え続けているっていう」


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