ある日の午後6

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 ものすごいドラマチックでもないどこかにありそうなラブロマンスで、男女に置き換えてもいけそうだが、男女に置き換えると逆に盛り上がりに欠けて視聴率は取れないということになるかもしれない。
 確かに俳優陣はいい演技をしていたと、良太は思い起こす。
 主演の中井俊は中堅の演技派で派手ではないが芸歴は長い、支社長役はドラマや映画で活躍しコメディもいけるこちらも主役級の演技派、エリート社員を演じた伊勢壮太は演技力を買われてモデルから俳優になった有望株で、そろいもそろってイケメンだ。
「イケオジのナンバーワンよ、野村冬樹、四十九歳。渋いけど超カッコいいのよ」
「イケオジ…………」
 良太はぽけっとしたまま、アスカの言葉を反芻した。
「工藤さんも、イケオジの部類には入るけど、あの性格がねえ。ま、これで少しは男同士でも認めてもらえるかもしれないじゃない、良太、よかったわね」
 反論はしないが、アスカの言動に良太はため息しか出ない。
 そんなに簡単にいけるもんならね…………。
「ああ、でも、心配なのはユキよね」
 思い出したようにアスカが首を振る。
「ユキ、って千雪さん? なんで?」
 胡乱気に良太は聞き返す。
「まったく、あの京助と来た日には! これに便乗してとかって、勝手に世間にカムアウトしたりしないか心配なのよ!」
「ええ?」
「京助ってば、お正月に親戚連中の前で、俺のパートナーはこいつだから、金輪際文句を言うなって、千雪とのことカムアウトしちゃったのよ。結婚しないのかとか縁談があるとか親戚連中もうるさいから悪いんだけど」
「ほんとですか?」


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