花を追い24

back  next  top  Novels


 蓋を開けてみたら、キャスティングはほとんど俺の口にした面々ってどうよ?
もっともそれは坂口と宇都宮と工藤と良太の間でのオフレコなわけだが、にしても、幾度か行われた会議ではNBCのメインプロデューサーはまるで司会進行係、たまに若いサブプロデューサーが意見を言うのだが、坂口の、ああ、それいいやね、で終わり。
 さしたる問題もなく制作発表の日がきてしまった。
 すったもんだしたのは、俺だけかよっ!!!
 ロケ地も良太があちこち探しまくって制作会社や地方局を通じてリストアップして交渉し企画書に羅列したものを、局側のサブプロデューサーが承認して終わり。
 ちぇ、そんなもんかよっ。キャスティングだって、こっちは必至で明日に間に合わせたってのによ!
 例の日下部の後釜は、ほぼすんなりと、本谷に決まった。
 最初事務所に打診した時は、大変ありがたいお話なんですが、と断られるかと思った良太だが、五分後にかけなおす、というので待っていたところ、今度は手のひらを返したように、ぜひお願いします、というものだった。
 おそらく何かスケジュールが入っていたのかもしれないが、坂口脚本、主演が宇都宮という記念番組の方を優先させたのだろう。
 その記念番組とやらだからか、放送時期を考えるとかなり早い制作発表なのだ。
 良太は心の中でぶつくさ文句をたれつつも、制作発表を滞りなく済ませるべく俳優陣の出席確認のために電話をとろうとしたその時、電話が鳴った。
「はい、青山…、あ、谷川さん、お疲れ様です!」
「おう、お疲れ……」
電話口の谷川はなんとなく覇気がなかった。
「ほんとすまねぇが、夕方からの奈々のオーディション、誰か俺の代わりにいってもらえねぇかな」
「え?」
 ここのところ奈々は結構多忙だった。
ドラマの撮影が終わるとすぐ、バラエティ番組、FM、映画のロケとほとんど休みなく東北から京都、東京と飛び回っていた。


back  next  top  Novels

にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL小説へ