花を追い49

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「明日の、藤堂さんとの打ち合わせ、伸ばしてもらおう」
 後で電話を入れておこうと思いつつ、良太は料金所を抜けやがて関越自動車道へと入る。
 ひたすら飛ばして、ひとまず嵐山パーキングエリアの文字を確認すると、本線から左へと入り、スピードを落とした。
 駐車場に車を停め、まず藤堂に電話を入れた。
「そりゃまた大変だ。今、軽井沢に向かってるんだ? そうか、どうせなら俺も軽井沢に行ってそっちで打ち合わせしようか」
「は?」
「ってなわけにも明日は行かないから」
 藤堂のことだ、やってしまいそうなところが怖い。
「モバイルで顔を見ながらミーティングと行こう」
「え?」
「じゃ、都合がいい時、連絡してね、良太ちゃん」
「あ、はい、わかりました」
 別に顔を見ながら出なくてもとは思うのだが、曲がりなりにも沢村に代理を頼まれている以上、おろそかにはできない。
 携帯は五時数分を表示していた。
「もうちょっと待ってから電話してみるか。俺がいなければかけてくるだろうし」
 良太は車を降りて、サービスエリアに入ると、コーヒーを買ってテーブル席に腰を下ろした。
「何日間か、入院てことになると、俺も仕事あるし、ずっとついてるわけにもいかないし、どうしよう」
 そうこうしているうちに時間は五時を十五分ほど回っていた。
 工藤を呼び出すと、何回目かでやっと出た。
「あ、工藤さん」
「どこにいる?」
「いやそれが実は、軽井沢の平造さんがぎっくり腰で入院したんです! たまたま通りかかったカンパネッラの吉川さんが連れてってくれたらしくてさっき連絡くれて、今日休みだからついててくれるっていうんで、今、俺、軽井沢に向かってるんで、すみませんが、タクシーで……」


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