勝手にしやがれ! 4

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 ドアが開いて、バスローブ一枚で出てきた男を見ると、良太はムッとした顔で中に入った。
「……良太、会いたかった……」
 背後から良太を抱きしめる沢村にますます良太は呆れた。
「おい、苦し…………離せってば! 酒臭………!」
 ようやく沢村が腕を緩めると、転がっているウイスキーの空瓶や半分以下になっている日本酒の一升瓶やチーズやハムなどの載った皿がテーブルに並んでいるのを見て良太は眉をひそめた。
「まさか、一人で今夜だけでこれ空けたわけじゃないだろうな?」
「いいからまあ、そこに座ってお前も飲め」
「言っただろ? 下柳チームでの編集作業の途中で、また仕事にもどらなきゃならないんだ」
「いいから、飲め」
 沢村は伏せてあったグラスに日本酒をカパカパ注ぐ。
「………で、何かあったのか? あの美人女子アナの彼女はどうしたよ? まさか、もう振られたってわけじゃないんだろ?」
「お前まで、くだらねぇ冗談ぬかすな!」
 良太のちょっとした揶揄に沢村は大きな声をあげた。
 マジかよ、本気でもう別れたのか、と心の内で思う良太に、沢村が喚きたてた。
「くっそ! デタラメなこと書き立てやがって、あんな女とこれっぽっちも何の関係もない!」
 沢村は一升瓶から自分のグラスに酒を注ぎ、一気に飲み干す。
「それをあのやろう! マスコミも大々的に報じてくれてるんだからとか何とか言いやがって!」


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