勝手にしやがれ! 5

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「あのやろうって?」
「藤堂のヤツだ!」
「藤堂さんが? ………わかった。わかったから、お前、いくらなんでもそんな飲み方するのやめろ。明日、オフなのか?」
 藤堂にも沢村の扱い方をよく話しておくんだったとちょっと後悔しながら、良太は沢村を宥めにかかる。
「明日は、チームの強制でトークショー……」
「…お前、わかってて、このザマか?! いい加減もうよせ」
 良太は沢村から一升瓶を取り上げた。
 沢村は大きく息をついた。
「にしても、デタラメ書かれたことなんか、よくあることじゃん。どうして今度ばっか、そんなに怒ってんだよ」
「………良太に謝らなきゃならないことがある」
「……はあ? 何だよ……どこかで聞いたような台詞だ。俺にはお前に謝られるようなことは全く思い当たらないぞ」
 良太は肇の時の再現じゃあるまいしと眉を顰めて沢村を見つめた。
「工藤のオヤジがお前と別れたら、俺はもうお前だけのために生きていくつもりだった」
 沢村はがばっと頭を下げる。
「すまん!」
「あのな、そんなこと考えてくれなくても俺は全然かまわないし、全く謝ってもらうようなことはないから!」
「好きな人ができた」
 ボソリと沢村は言った。
「え、何だ、やっぱりあの美人アナと……」
「あんな女じゃない! 違うんだ………」
 大きな男がうなだれて、しかも傲慢な男がこんな風に真剣に語るのを、良太は少し真面目な顔になって見つめた。


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