限りなく傲慢なキス 3

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 最近は工藤も無駄だとばかりに社員募集もしていない。
 というわけで仕事中毒のように工藤は日本中のみならず、世界をまたにかけて駆けずり回っている。
 工藤は今頃、『大いなる旅人』の第四弾のロケでアテネあたりだろう。
「自分に都合が悪いことになりそうなもんだから、KBCのドラマ、俺に丸投げしてさ」
 ついつい良太はワンマン上司の顔を思い浮かべながらぶつぶつとこぼす。
 小林千雪原作の人気ミステリーシリーズのひとつ、『春の夜の』は最近封切られたばかりだが、初日から盛況で、この映画の前評判を聞きつけて、今年に入って急遽、KBCでも同じシリーズから『花の終わり』のドラマ化が決まった。
 このミステリーシリーズは老弁護士御園生を主人公に、片腕の若手弁護士海棠とともに難事件を解決していくというのが柱になっている。
 青山プロダクションでは小林千雪原作の小説の映画化は四作目となるが、既にMBCテレビではドラマ化され、その制作も請け負っている。
 KBCの今回のドラマ化に際しては、映画の人気に便乗するべく、工藤プロデュース、広告代理店英報堂関連のEプロモーション制作で、映画で若手弁護士役を演じている青山プロダクション所属の人気俳優、志村嘉人を同じ役で起用し、ヨーロッパを中心に活躍していたトップモデル山之辺芽久をゲスト主役に抜擢して話題になったばかりだ。
 しかも制作発表での、山ノ辺芽久と工藤の再会のキスシーンは、芸能ゴシップ記事のトップを飾り、話題を盛り上げたのは事実だ。


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