花びらながれ10

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「でも、良太ちゃんはいつも直球勝負でウソは言わないから、ってひとみが」
 良太はちょっと赤面する。
「……っとに、ひとみさん、何話したんですか、もう、参ったな」
 水野はフフフと笑う。
「だって、ひとみったら、良太ちゃんのこと可愛くて仕方ないって感じで。でもあいつはその辺のひよっこと違って、一本筋が通ってるって」
「持ち上げすぎですよ」
「会社は良太ちゃんがいないとダメだって、高広の懐刀なんだってね」
 一体ひとみさんは俺のことどう話したんだ?
「最近、高広、山之辺とまた騒がれてたね」
「え、ええ」
 良太にとってはもう思い出したくない話題だ。
「バカだよね、山之辺も。事務所は売名行為もあったのかもしれないけど、山之辺本人はまだ未練があったんだろうね。まあ、カッコいいもんね、高広は。口を開かなければね、小娘は強そうな男に弱いからさ」
 確かに口を開かなければね、と心の中で良太は呟く。
 だが水野の次の言葉に良太はドキリとさせられる。
「私も昔は小娘だったからさ」
「え………」
「あ、ヤギちゃん元気? この仕事ヤギちゃんとやってるんだって?」
「はい……、すごく元気ですよ。ヤギさんと、それからカメラマンの有吉さんと……」
「ヤギちゃんってさ、見かけはジジくさいくせに、やること結構硬派なんだよね」
 それからまだ少し、良太は水野と話をしたが、私も昔は小娘だったから、のあとはあまり覚えていなかった。
「今度、飲もうね」
 明るく見送られて、良太は水野の事務所をあとにした。

 


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