花びらながれ18

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「でも奏ちゃん、絶対俺の部屋にいたことは言うな、写真週刊誌にかぎつけられるぞって。何だか私怖くって、奏ちゃんにタクシーでマンションまで送ってもらったんだけど」
 有吉からそう念を押されたのだが、有吉がまだ釈放されていないのをやきもきして、どうしようか迷った末、良太を訪ねたのだと美由は語った。
 だが確かに美由が男の部屋にいたなどということをマスコミに嗅ぎ付けられたら、美由の立場上まずいことにもなるだろう。
「脅迫状って、何か脅されるような理由に思いあたらない?」
 美由は首を横に振った。
「全然、何にもわからなくて。でも奏ちゃんとこ行った時、奏ちゃん、ガセネタで渋谷に足止めを食らったって、それってひょっとして犯人が意図的にやったってこと?」
「その可能性もないとはいえないよね」
 良太はとりあえず美由が落ち着くのを待って、タクシーを呼び、美由を帰らせた。
「ってことは、つまり他に犯人がいるってことだよな?」
 ことは益々厄介になっていく。
「にしたって、有吉さん、最初あった時、俺に突っかかってきたのって、やっぱ市川さんのこと好きなんじゃないのかよ」
 何となく色々と思い当たって、良太はちょっと肩の力が抜けた。
 しかし、市川から、奏ちゃんに迷惑がかかるかも知れないし、まだ誰にも言わないでと懇願され、良太には動きようがない。
「弱ったな……明後日工藤さん帰ってくるし、相談してみるとか……でもな、市川さんに誰にも言うなって言われたしな。ったく、警察、何やってるんだよ! しゃあない、明日また小田さんに聞いてみよ」
 良太は呟くと、仕事モードに切り替えて、たまっている書類作りにしばし専念した。

 


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