花びらながれ22

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 二人は珍しく真面目に、そんなことを話していたが、いつの間にか時間は真夜中を過ぎていた。
 唐突にオフィスのドアが開いて、二人は少し驚いて顔を上げた。
「真夜中まで一体何をやっているんだ?」
 良太はデスク、沢村はソファに座っている二人から、何か深刻な話をしているらしいことは工藤もすぐにわかった。
「どうも、じゃ、俺、帰るわ」
「おう」
 沢村は工藤に、どうも、と言っただけで、うらぶれた背中を向けてオフィスを出て行った。
「一体どうしたんだ、あいつは。幽霊みたいな顔で、野球なんかできるのか」
「はあ、それが、また、色々と……」
 良太も沢村の思いが伝染したように、何となく覇気がない。
「えっと、例のドラマのキャスティングの件ですが、アスカさんと奈々ちゃんにスケジュール調整してもらって出演OKもらったので、坂口さんにその旨報告しました。それから……」
 ぎこちなく良太は工藤に留守中のことを報告する。
 水野あきらに番組の音楽制作を快諾してもらったこと、そして有吉のことも話し、まだ警察から返してもらえないが、小田弁護士に依頼したことも付け加えた。
「でも有吉さん、おそらくはめられたんじゃないかと……」
 ついうっかり口にして良太は心の中でしまったと思う。
「お前、何か知っているのか?」
 すかさず工藤に突っ込まれる。

 


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