花びらながれ24

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 言わないでおこうと思ったはずが、つい酔って良太の口が滑ってしまう。
「……だいたい有吉さんも有吉さんだよな……市川さん、あんなに心配させといて……」
 市川と有吉のことは口にしないと決めただけに、酔った頭でもそれ以上のことは言わなかったが、工藤はそれに引っかかった。
 良太が目を覚ましたのは既に明け方だった。がばっと身体を起こした良太は、隣に眠る工藤に気づいた。
「また、俺………酔っ払っちまって……」
 どうやら工藤が部屋に連れてきてくれたらしい。
 時計を見ると四時になろうとしている。
 ここのところ仕事もだが、面倒ごとが積み重なってろくに寝てなかった良太は、工藤の顔を見たら気が緩んで酔っぱらって眠ってしまったらしい。
 パンツ一丁で寝ていた良太は、工藤を起こさないようにそっとベッドを降りると、トイレに行ったついでに酔い覚ましにシャワーを浴びる。
「色々やることあったのに」
 ブツブツ言いながら顔を洗っていると、背後でガチャっとドアが開く音がした。
「あれ、わり…起こしちまっ………わ、ちょ……!」
 いきなり後ろから抱き込まれ、良太は慌てる。
 だが工藤が自分に欲情しているのを知ると、一気に身体の中がざわめき始める。
 工藤はシャワーを止め、良太を振り返らせて強引に口づけた。
「何だよ……こんな夜中に……」
 口づけの合間に並べ立てる良太の憎まれ口も次第に小さくなり、幾度も繰り返される口づけに飲みこまれてしまう。
 工藤の指が良太の身体を這いまわると、良太は簡単に篭絡され、どうにでもしてほしいくらいに身体が溶けはじめる。

 


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