花びらながれ31

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「本当は部屋に戻ったはずです。吸殻がそこにあったのは絶対、はめられたんだ」
 市川に誰にも話さないと約束したからには、自分の口から話すわけにはいかない。
 しかし、この状況では有吉には不利になるばかりだ。
「有吉と市川のことは調べがついてる。いいからとっとと話せ」
 えっ、と良太は工藤を振り返った。
「市川というのは?」
 渋谷が工藤に尋ねた。
「少しだけ、時間を下さい」
 良太は工藤が何か言う前にそう言うと、自分の席に戻った。
「あ、悪い、今いい?」
 つかまるだろうか、と思いながらかけた市川は、すぐにつかまった。
「有吉さん、このままだとすごく不利な状況らしい。やっぱり黙っていてはまずいと思う」
「わかった、すぐに警察に行って何もかも話します」
 市川はどうやら決意しているようすで、きっぱりと言った。
「だったら、先にうちのオフィスに来られないかな?」
 すぐに行く、と言って市川は携帯を切った。
 良太は渋谷たちのところに戻ると、「今、有吉さんのアリバイを証言してくれる人がこっちに向かっています」と言った。
「どういうことです?」
 渋谷が身を乗り出した。

 


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